カウンセラーの方からの声

今回は、カウンセラーからの声をお伝えしたく、投稿させていただきます。
現在は主に、卵子提供者である、ドナーの方との心理カウンセリングをさせていただいております。カウンセリングを始めた当初から、卵子ドナーの方々の良心的で誠実な言動や、温かい人柄には感嘆しております。

正直を言うと、金銭面での理由の方が多いかとも思いましたが、ドナーとしてのプロセスはそれだけでは成し遂げられるようなことではありません。不妊治療そのものに興味があり、インターネットでどう貢献できるのかを探した結果、この会社を見つける人が多いようです。

カウンセリングでは、ドナーの方の生い立ち、家族関係、人格面、や動機を特に大切に考えています。さまざまな方がいて、例えば、自分にはすでに子どもがいて他の人にも育児の楽しみや幸せを体験して欲しいという方、自分達夫婦は子どもを持つ予定がないが、他のご夫婦の役に立ちたいという方、子どもと関わる仕事をしている方、知り合いに不妊治療をしている人や、不妊の問題をメディアを通し学び、自分で何かしら貢献したいという気持ちの方、などです。

多くの方がドナー登録をする前に深く考え、家族や友人に相談したり、インターネットなどで卵子提供に関する賛否を熟慮した上での決断のようです。家族の理解とサポートのあるなかでの卵子提供の方もいます。

卵子提供の可能性を考えているご夫婦の方にとっては、治療に踏み切るまでたくさんの葛藤があったでしょう。経済的にも簡単なことではありません。さらに、ドナーの方の心身的負担の上で、このような治療をしていいのか、など懸念したり、ドナーになる方の動機などに関しての不安もあったかと思います。カウンセリングで直接お話をしてみるとみなさん、不妊で悩む方の役に立ちたいと本当に強く望んでいられます。

私は、子どもを授かるためにできるだけのことをすることは素晴らしいことだと思います。現代の医学は昔には不可能だったことを可能にしてくれますが、なによりもレシピエントのご夫婦のあきらめない気持ちと、ドナーの方の貢献したいという気持ちが一つになりその奇跡を生み出していると思います。命は縁がないと生まれてこないので、卵子提供を受けるという決断と治療をすることは、命の可能性を作りだす勇気ある行為だと思います。どんな治療の形をとったとしても、ご夫婦の方のもとに授かる大切な命です。治療が成功しますように。

マリ久郷エヴァーズ, LCSW
カリフォルニア州公認心理療法士