卵子(エッグ)ドナー体験談
ニューヨーク州H.O様より
ドナーになる事について、日本では馴染みが無い事もあり最初は考えませんでしたし、正直怪しいとさえ思っていました。しかし、たくさんの不妊で苦しんでいるご夫婦と接する機会があり、デリケートな問題なのであまり表面化されないけれども、辛い思いをしている人がたくさんいる事、卵子に問題があって不妊で悩んでいるご夫婦には卵子提供による体外受精という選択肢しか無い事を知りました。そして、本来は排卵で捨ててしまうはずの卵子を提供する事、将来の妊娠には影響が無い事なども知り、やってみても良いかなと思いました。
サイクルを始める前には子宮がん検診や性病の検診を受けなければなりませんでしたが、普段自分から受けに行く事はないので良い機会でした。
サイクルが開始したらクリニックには採卵する前に検診や採血の為にと何度か行かなければなりませんでしたが、検診自体はすぐ終わるのでそれほど面倒ではありませんでした。特に、都合の良い日、悪い日、時間などを前もって伝えておけば、クリニックが自分の都合に合わせて予約を取ってくれる等の配慮もありました。
採卵の前には毎日3週間ほどホルモンの自己注射をする必要がありました。注射と聞いたときは痛そうだし難しそうと思ったのですが、看護師の方が丁寧に説明をしてくれたので大分安心できました。実際自分でやってみたら、刺す瞬間にちくりと感じるものの、大して痛みはありませんでした。
採卵前1週間程は2、3日に一回検診の為にクリニックへ行かなければなりませんでした。
採卵当日は朝何も食べずにクリニックに行き、血圧、脈拍などを計った後、点滴をします。麻酔医、看護師からはきちんと説明を受けたのですごく安心できました。眠る為の麻酔は点滴を通してなので麻酔をしますと言われてからすぐに眠ってしまい、気が付いたらすでに全部終わっていました。採卵自体は15分程のようです。体を切ったりするわけでは無いので、麻酔が切れたからといって痛みがあるわけではありませんでした。
普段は1つしか大きくならない卵胞を20個前後大きくするので、採卵前はお腹が張った感じがする人もいるようですが、私の場合は採卵後に1週間ほど生理痛のような痛みが続きました。クリニックが痛み止めを処方してくれましたが、それ程痛みは強くなかったので私は服用しませんでした。
採卵前後は、激しい運動をしてはいけない等のルールはありますが、普通に生活できる程度でした。
2週間後、登録機関からレシピアントご夫婦が妊娠されたとの報告を受けたときは本当に嬉しかったです。もちろんお会いした事は無いのですが、レシピアントのご夫婦がこれまで苦労されていたと聞いていたので、子供が欲しいという願いに私も協力する事が出来て本当に良かったと思いました。